6/18(日)

 予約してあった美容院から、予約の時間を変更するお願いの電話がきた。普段は開けていないであろう平日の夕方も可能であることを伝えられたのだが、平日の仕事終わりに美容院に行ってそこから帰ることを想像すると気乗りがしなかった。電話口で渋っていたら、本来は休みである日曜の朝でも大丈夫と言ってくれたので、おことばに甘えてそうさせてもらった。その今日、少し寝坊してしまって平日並の速度で準備をして向かった。

 髪を切りながらちょくちょく美容師さんが隣の部屋に行っていたので、傍に置いてあった雑誌を手に取った。髪を切り始める前に「雑誌読まないですもんね」と言いながら近くの台の2段目によけていたその雑誌。最初のセリフの当てつけみたいかもしれないと思いながらも、美容院での雑誌の読み方がわからなかったから丁度いいタイミングでもあった。美容院での雑誌の読み方がわからない、そう考えてしまうと今まで行っていたどの美容院でも雑誌を読んでいなかったことを思い出して、実はこれ美容師さん的にものすごく困ることなんでない??と気づいてしまった。今まで美容院に通うことを決める基準は、切った後の髪の感じもさることながら、話さなくてもいいことに重点が置かれていた。髪も変じゃないしあまり話しかけてこないからここにしようかな〜。しかし、何も話さないくせに雑誌も読まない黙って鏡を見つめ続ける客、恐ろしい客のような気がしてきた。客が何も話さなくても雑誌を読んでさえいればその雑誌のページから会話が広がらせることもできるだろうに。月に一回くるかこないかの客のことをいちいち覚えてはいられないのに、その客とほぼ二人だけの時間において会話がなされないのは、もしかすると相当おかしな話だったりするかもしれない。相当困ることなのでは?広島と姫路で通っていたところは全く会話をすることなく、切られている間は何かしらのことをぼんやり考えたり浮かんだりさせていた。広島の美容師さんは丹精たっぷりこもった所作で好きだった。じっと鏡を見つめているようではあるが、メガネを外しているから鏡は全く見えない。そんな客を目の前にする美容師さんの心情やいかに。気づいてしまったかもしれないと思いながら申し訳なさと共に開いていた雑誌のページは、メガネをかけていないからほとんど読めなかった。

 近くのショッピングモールの駐車料金はカードを作れば一時間無料になるという話をしてくれて、暇だったのでその後そのままカードを作りに行った。クレジット機能もついているため名前やら住所やらの登録に時間はかかったが無事完成。勤め先の情報を書くところで時間がかかってしまった。会社のことを何も知らない、従業員数も電話番号も、そもそも仕事は会社員なのか派遣社員なのか。わからなくて調べるのも面倒くさくなって少し適当になってしまった。カードを作ったら館内で使える金券が三千円分ももらえて、しかも駐車料金を四時間分無料にしてもらえたので、昼ごはんを館内にあるご飯屋で食べることにした。中華料理か和食かオムライスかで悩んだが、カツを食べたかったので和食に。家族亭という名前で家族で賑わっている店に無家族で入った。オムライスの店は少し入りづらさを感じたのになぜここは入れたのだろう。注文したヒレカツ丼セットはヒレカツたちに十分なスペースが与えられてゆったりとしているお重であった。

 カツ丼と蕎麦を食べたのにパン屋でソーセージパンを買った。出来立ての札が立てられていたけれど、出来立てブランドが許されるギリギリの時間だったようで冷めていた。駐車料金が無料になったから近くにある図書館にも行った。今借りてある本の貸出期間の延長とくどうれいんのエッセイをかりようかな〜と思っていたが、延長はネットでするらしく、エッセイはなかった。しかしエッセイの連載が掲載されている文芸誌があったのでいくつか読んだ。町屋良平の小説とハイデガーの入門書を借りた。その後買い物に行って帰ったら16時だった。

 疲れた、そんな疲れるようなことしたっけ。疲れて横になってだらだら漫画を読んだりした後だらだら作り置きをして、だらだらしていた。新しい卵焼き用のフライパンで卵焼きを作っていたときは楽しかったのだが、水につけていたひじきの量が多すぎてざるにいっぱい刺さっているのをみてからは、料理をめんどくさく感じてしまった。初めて作るものは作りすぎがち。ひじきは芽ひじきが正解だったみたい。ひじきを煮込んだ後、炊き込みご飯にした鮭の骨を取っているあたりからものすごく面倒くさくなってしまった。晩御飯に食べようと解凍していた鶏肉、作るのやめようかなと思ったけれど腐っては困るから、美味しくしてやるからな!とラップに包まれていたそれをぺしぺし叩いて、最近買ったほりにしをかけまくって丼にしたら美味しかった。