2021/12/4(金)

 あの人は何年も前から表現と向き合っている。あの人もあの人も、尊敬する人達はきっとみんなそうだ。敬意を払わなくてはならない、そんなことを考えてはいたけれど、本当の意味ではわかっていなかったんだな。今をいくつも重ねてきてその積み重ねの先の今をつくっている。その厚みが、自分が認識もできないほどの積み重ねがある。その積み重ねが良さとなって現れているのだろう。自分はまだまだだ。まだまだすぎる、曲をつくりたいと思って、行動に起こし始めてまだ3年ぽっちしか経っていないしつくった曲も今のところ5曲とそこら。なんだか悲しくなるな。精一杯今を吐き出している、そうしてはいるけれど、厚みなんかない。初期衝動とも言えるかどうかな代物だ。プスプスと燻っていたものに火をつけ始めてようやくついたところなのではないか。燃え盛る業火ではない、そんな気がしているだけ。小さい火を近くで見て大きく感じているだけ。でも、こうやってがむしゃらに今を切り取って詰め込んで吐き出して、そういうものをやり続けてそれが重なり続けて良いものになるはずだ。今を吐き出し続けなければ厚みなんか生まれない。とにかくやらなくては。そして、時間なんかないんだ、だからとにかく注ぎ込み続けなければ。遅れた分を取り戻さなければ。必要なものを確実に選び取っていかなくては。よいものをつくりたいのなら。つくっているものは作り始めた段階で既に過去だ、急がないと。でもおざなりにしてはならない、ちゃんとその今を今であったものを確実に形にしなければ。早くしないとどんどん遠い過去になっていくけれどその想いは確かに今感じたもので本当だ。全部本当なんだ。そこを自分で信じられなくなればおしまいだ。ちゃんと自分で考えて感じたものなのだ。だからこそ形にしたいし吐き出したいんだ。そういう今を生きているのだ。生きたいのだ。時間は瞬く間なんかより早く過ぎ去っていく。考えもどんどん更新されていく。これだと思うものを逃してはならない。一度逃したら次から次へと溢してしまいそうだ。発したいと思うこと吐き出したいと思うこと大切にしたいと思うことそういうもの全てをちゃんと掴まないと。今を生きないと。生き急げてなんかいない、間に合ってなんかいない、鋭く尖った矢はどんどんと先を切り裂いていっていて、その後ろをなんとか追いかけるので精一杯だ。